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《2602》解雇の金銭解決に向けた今後の方向性

2025年11月、厚生労働省において解雇の金銭解決にかかる制度設計に向けた検討会設置の意向が報道されました。今後の方向性について考察します。

はじめに

「解雇の金銭解決」(いわゆる解雇無効時の金銭救済制度)の導入に向けた議論が再開しています。2025年11月、厚生労働省において解雇の金銭解決にかかる制度設計に向けた検討会設置の意向が報道されました。以下、金銭解決法制化の背景と制度の趣旨、現行制度の課題、導入に向けた論点整理、予想される方向性と企業への影響という観点から解説します。

制度化検討の背景と趣旨

日本の労働法制は、解雇について厳格な規制を設けています。労働契約法第16条は、解雇が「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」にはその解雇を無効とするという法理を定めています。つまり不当な解雇が行われた場合、解雇無効を前提として原職復帰を求める「地位確認訴訟」等の手段を通じて労働者救済を図るのが一般的です。しかし実際には、解雇をめぐる紛争について次のような問題があります。

そのため、無効と判断された解雇について、使用者が一定の金銭を支払うことで労働契約を終了させる仕組みが改めて検討される運びとなりました。

※2018年から2022年にかけて同省の検討会が開かれましたが、労働者側団体などの強い反発を受けて議論が中断していました。

金銭解決法制化に向けた主要な論点

検討会では、以下の主な論点が想定されています。

 

予想される方向性と企業への影響

現時点で法案が成立したわけではありませんが、議論の方向性から以下の変化が予想されます。

算定基準の明確化

金銭解決の算定基準が明確になることで、解雇リスクの金銭的評価が可能になります。退職勧奨の合意金の算出にも影響すると予想されます。

 

雇用の流動化・賃金の上昇

金銭解決の選択肢が明確になることで雇用移動が促進される可能性があります。また、解雇規制の高さにより抑制されていた賃金が上昇する契機になると指摘する見解もあります。

 

正規雇用に対する認識の変化

正社員の安定性が低下することで労働者側の帰属意識が弱まり、よりドライな労使関係に変化する可能性があります。また、正社員への教育投資等を企業が控える方向に進むとの見方もあります。

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