単行本:277ページ
出 版:宝島社
価 格:1500円(税抜)
はじめに
「この人は仕事ができる」
「この人が来たからもう大丈夫」
このような感覚を生んでいるものの正体こそが「センス」なのです。センスとは一体何なのでしょう。
そして、どうすれば身につけることができるのでしょうか。
スキルだけでは意味がない
・英語を流暢に話せる
・高度なプログラミング能力を持っている
・統計分析ソフトを活用して正確な財務分析ができる
上記に挙げた例は、一般的には「仕事ができる」と思われがちな要素かも知れません。しかし、これらは全てスキルであり「スキルがある≠仕事ができる」と本書内では述べられています。
『あっさり言えば「成果を出せる」。これが「仕事ができる」ということです。(中略)「この人じゃないとダメだ」、そう思わせる人が僕の言う「仕事ができる人」です。』
センスは天賦の才能ではない
「この人じゃないとダメだ」と思わせるために「センス」が重要な役割を持ちます。
センスに依存した要素は曖昧で確実性や再現性に欠けるため、ビジネスの場では二の次に回されてしまいやすいものです。「一部の才能がある人だけが持ち合わせているもの」と断じてしまう人も少なくないようです。しかし筆者は、センスは天賦の才ではないと考えています。
『育てられないけれども、育ちます。他動詞ではなく、自動詞の「育つ」です。センスは自ら錬成するものです。』
スキルはセンスで動かす
『よく論理と直感を対立させて考える人がいます。(中略)実際に頭を使って仕事をする人からすれば、“論理は常に直感を必要とする”というのが本当のところだと思います。』
ここで言う論理とはスキルであり、直感とはセンスです。つまりセンスがなければ、スキルは役に立たないということです。
もちろん、定型的な問題を解決するためにスキルがあるに越したことはないというのが筆者の考えであり、スキルの熟練そのものを否定しているわけではありません。
問題解決をするための有効な一手を導き出すためにはセンス、つまり直感的なひらめきが欠かせないのです。習得した数多くのスキルだけを軸にしていては、手当たり次第の作業になってしまい、時間を浪費しやすいものです。
スキルから出発して解決策を考えるのではなく、磨かれたセンスによる解決策を見つけ出してから必要なスキルを割り当てなければなりません。スキルのデフレ化とセンスのインフレ化はあらゆるジャンルで進んでいます。同等のスキルを持つ人は数えきれないほど存在する現代において、センスこそが差別化を図るための重要な要素であることは間違いないでしょう。
本書内にて「HOWの話はほとんどしていない。WHATについては多く語っている。どうすればセンスを鍛えられるのかという話はそもそもできない」と述べられています。
しかし、膨大な事例を交えながら仕事ができる、あるいはできないとはどういうことかについて深く考察されています。
今まで触れられることの少なかったセンスに基づいたビジネス論を学べるおすすめの一冊です。