単行本:205ページ
出 版:日経実業出版社
価 格:1,400円(税抜)
はじめに
60歳を超えて生命保険会社をゼロから創業した筆者が重要視する「決断力」。以前は「考えずに、何もしないこと」が評価された時代があったと筆者は述べていますが、今は迅速に決断することが正当に評価されるようになったと書かれています。これからの時代に必要な「決断力」について学んでいきましょう。
なぜ決断することは難しいのか
ビジネスシーンにおける決断とは、いたってシンプルなものであると筆者は考えています。
「迷ったら、どちらのほうがベネフィット(便益)が高いかを考える」のは仕事の鉄則です。(中略)どのような仕事であれ、目的がある以上は、丁寧に分析していけば正解にたどりつけるはずです。
しかし、そう簡単に物事を切り分けることができないことの方が多いのではないでしょうか。
「余計なこと」を切り分ける
本来ならば、一つの目的や目標に向けてスムーズに行われるはずの決断は、いくつもの「余計なこと」が障害になって困難になっていきます。
上司の顔色や、自分自身の経験の有無、仕事上の哲学などが「余計なこと」に分類されます。筆者にもおよそ30歳の年齢差をもつビジネスパートナーがおり、その年齢差が意見の衝突を生むのではないか、と聞かれることがあると言います。
ライフネット生命にはマニフェストという会社の憲法のようなものがあります。(中略)理念や明確な方向性を共有しているのですから、「話が合わない」はずがありません。
これはライフネット生命に限ったケースではありません。どの会社にも、明確な方向性が掲げられており、全ての決断の指標はその方向性に従うべきなのです。
「数字」「ファクト」「ロジック」
しかし、そうは言ってもやはりベストな決断を下すことが難しい場面もあるでしょう。そこで重要になるのが「数字」「ファクト」「ロジック」の3つです。
1.数字
国語ではなく算数で物事を捉えてみましょう。一つの問題を国語的に考察すると、その意味や結果は曖昧になりがちですが、数字的に考えると優劣ははっきりしやすいものです。
2.ファクト
ファクトとは、数字やデータから導き出せる客観的な事実のことです。誰の目からでも同じように見えるものであり、「一人のお客様の声はファクトにならない」と筆者は述べています。会社に寄せられるフィードバックは有益ではありますが、多数の情報を収集・分析し、一つのファクトを見つけ出すことが重要なのです。
3.ロジック
数字、ファクトをもとに論理を組み立てていくことがロジックです。単純な論理的正確性だけではなく、より多くの変数を持っているものが優れたロジックとなります。変数とは、言い換えれば多面性であり、議論や思案をする際の材料の多さになります。充実したロジックをベースにすることで、議論をより精緻なものにすることができるのです。
「決断に勇気はいらない!」と断じる筆者による、早く正しく決める技術を学ぶためにおすすめの一冊です。