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《2304》健康保険料率・介護保険料率の変更について

2024年3月からの健康保険料率・介護保険料率の改定が発表されました。変更内容その他について解説します。

はじめに

健康保険料率・介護保険料率は、都道府県ごとの収入・支出のバランスなどをもとに毎年3月(4月納付分)に改定されますが、2024年3月からの改定保険料率が発表されました。以下、変更内容その他について解説します。

 

健康保険料率

 

保険料率に差がある理由

健康保険料率は、被保険者1人当たりの医療費などを元に都道府県ごとに計算されますが、年齢構成の高い都道府県ほど保険料が高く、所得水準が高い地域ほど保険料が安くなる傾向にあります。

 

介護保険料率

40歳から64歳までの方(介護保険第2号被保険者)は、これに全国一律の介護保険料率(1.60%)が加わりますが、2024年3月からの介護保険料率は従来の1.82%から下がります。

 

インセンティブ制度

協会けんぽでは、2018年度から「インセンティブ(報奨金)制度」が導入されました。これは各都道府県の健康への取組に応じて、インセンティブ(報奨金)を付与し、都道府県支部ごとの「健康保険料率」に反映させるものです。

具体的には、健康保険料率の中にインセンティブ制度用の財源0.01%を盛り込んだ上で、各支部の評価指標(特定健診実施率など)の実績に応じて得点をつけ、その得点ランキングの上位15支部(上位約30%)に報奨金を付与することによって保険料率を引き下げる仕組みになっています。

なお、2022年度実績では以下のようなランキングになっています。健康診断受診やジェネリック医薬品への切り替えの意識は地方が高い傾向にあるものの、年齢構成や所得水準も影響するため、この順位が必ずしも保険料率の順位とは一致しないようです。

 

保険料率の今後

健康保険料率は、当然ながら国民医療費の60%超を占める65歳以上医療費への施策がカギになります。医療費負担割合や終末医療に抜本的な改革がなければ、健康保険料が大幅に下がることは見込めないでしょう。社会保険のパートへの適用拡大も控えているため、健康保険制度に対してより一層の注目が集まります。

 

〈補足〉

厚生年金保険の保険料率(18.3%)については、法律で固定されているため改定はありません。また、子ども子育て拠出金率(0.36%)についても、令和6年度における改定は予定されていません。

 

★参考

<令和6年度の協会けんぽの保険料率は3月分(4月納付分)から改定されます>

https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g7/cat330/sb3130/r06/240205/

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