労働保険年度更新および社会保険算定基礎届の時期が近づいてきました。年1回のこれらの手続きについて、改めて内容を解説します。
はじめに
税金の計算に確定申告や決算申告があるように、労働保険と社会保険にも年1回の申告業務があります。以下、労働保険年度更新並びに社会保険算定基礎届について改めて解説します。
労働保険年度更新
労働保険の年度更新は、「昨年度に申告納付した労働保険料の過不足精算と、今年度の労働保険概算保険料納付を同時に行う作業」のことを指します。労働保険は毎年4月から翌3月までの1年間単位で申告をしますが、在籍する労働者の年間給与見込み額総額を元に保険料を先払いし、翌年度に過不足精算をする方式となっています。
昨年度の概算保険料計算時から大幅に人件費が増えた場合、差額精算時の不足額が大きくなることがあります。逆に人件費が見込みよりも小さい場合は、差額が翌年度の支払額に充当される(※)ため保険料支払い総額が少なくなります。
※差額還付を選択することも可能です。
申告期限と納付回数
申告期限は7月10日です。納付は原則として年1回ですが、概算保険料部分について年間40万円(二元適用の場合は20万円)以上の場合は3回に分けて納付することが可能です。
社会保険算定基礎届
社会保険の標準報酬月額算定基礎届とは、被保険者ごとの標準報酬月額を年1回定期的に決め直すための届出であり、算定基礎届によって結果標準報酬月額が決定されることを「定時決定」と言います。社会保険(健康保険と厚生年金保険)は被保険者の報酬を「20万円」「30万円」などの切りの良い数字に当てはめて管理しており、報酬の微細な変動に対していちいち登録内容を変えない代わりに、年1回定時決定によって決め直すという仕組みになっています。決め直す際には「4,5,6月に支払った報酬額の平均値」を計算します。変更された登録報酬は、算定基礎届提出後、その年の9月分からの保険料に反映されます。
登録上の報酬=標準報酬月額は、「毎月の保険料の計算」「将来の年金の支給の計算」「傷病手当金や出産手当金などの給付の計算」等に使用されます。つまり、標準報酬月額が高ければ保険料が高くなる一方で、連動して給付の類も手厚くなることとなります。
年度更新と算定基礎届の違い
労働保険年度更新が「会社全体の保険料を計算して報告する」作業であるのに対して、算定基礎届は「所属する被保険者の個別の報酬について計算し報告する」作業であるという違いがあります。