化学メーカーのカネカにおいて、育児休業明けの男性社員が転勤を言い渡されて退職した事件が騒動になっています。現代の育児休業への対応について考えます。
はじめに
化学メーカーのカネカの元社員の妻が、育児休業直後の転勤命令に対する不満をSNSで発信し、ネット上の炎上や一時株価が落ち込むなど大きな騒動に発展しました。事件の概要を紹介するとともに、これからの育児休業への対応について解説します。
事件の内容
この事件の概要は以下のとおりです。
家庭事情を考慮しない企業の転勤命令に不満を持った妻がSNSに不満を発信し、炎上騒動に発展しました。
カネカの言い分
企業側は弁護士を通じコメントを発表しています。その内容は下記のとおりです。
このように違法ではないという立場を取っています。
転勤があるという条件で雇用されていた社員について転勤命令をすることは確かに違法とは言えないでしょう。相談を受けた行政機関も転勤の違法性は否定しているようです。
何が問題視されたか
違法性がない対応であっても、「育児に対するハラスメントである」とされてSNSなどで大きく炎上したのはなぜでしょうか。一つには、個別の事情を配慮する姿勢が足りなかったことが挙げられるでしょう。
やっとの事で保育園に入れたという事情、家を購入したばかりという事情が配慮されなかったことで、「組織人として理不尽に耐えている層」から同情を集めたと考えられます。「育児」「大企業」という条件も炎上した原因の一つでしょう。
育児に対する労務管理のこれから
カネカの事件では、一時的に同社の採用活動にも悪影響を及ぼしたようです。中小企業経営において採用は重要な経営課題の一つですから、社員の育児に対する対応で悪評が立つことは避けたいところです。
子育て世代の社員の定着や採用をするためには、「安心して育児と両立できそうだ」と社員に期待させるような企業姿勢を示していくことが大切です。以下に挙げるような施策を検討してはどうでしょうか。
公正さ・公平さを意識しながらも、子育て世代を優遇する方針も時には戦略上有効な方法かもしれません。