働き方改革により長時間労働是正は進んでいますが、時代の変化に合わせてさらなる労働基準法改正が議論されています。現時点で議論されている主な論点を紹介します。
はじめに
働き方改革関連法の施行から数年が経ち、長時間労働の是正は一定程度進んだ一方、テレワークや副業の広がりなど、現場の働き方は大きく変化しています。こうした実態を踏まえ、厚生労働省の研究会では、労働基準法を中心とした見直し論点が整理されており、2026年以降の改正が視野に入っています。以下、現段階の改正案を解説します。

13日超の連続勤務禁止へ
現行制度では、休日の配置次第で長期間の連続勤務が理論上可能ですが、今後は13日を超える連続勤務を禁止する方向が示されています。
これは、精神障害の労災認定基準などを踏まえ、健康確保を重視する流れです。

法定休日の明確化
労働基準法では法定休日の特定方法が明確に書かれていないため、現場では「この日は法定休日?所定休日?」と混乱が生じがちです。今後の見直し議論では、あらかじめ就業規則やシフト表などで法定休日を明確にすることなどが検討されています。

特に、変形労働時間制やシフト制の会社では、トラブル予防の観点からも重要です。
勤務間インターバルの義務化
勤務終了から次の始業まで一定時間空ける「勤務間インターバル」について、将来的な義務化も含めた検討が進められています。目安の一つとしてEU基準を参考にした11時間が検討されています。
想定される影響
- 夜遅くまで残業 → 翌日の始業時刻を繰り下げ
- シフトや業務配分の見直しが必要になる可能性
週44時間特例が撤廃へ
一部の小規模事業場で認められている「週44時間特例」については、実際に利用していない事業場が大半であることから、撤廃も含めた検討が示されています。
週44時間を基準に労働時間管理をしている事業場については、労働時間の配分や割増賃金計算の変更をする必要があるため、事前の準備が必要でしょう。
副業・兼業と割増賃金
現在は、副業先が別会社でも労働時間を通算して割増賃金を計算する必要があり、現実的でない部分があります。
現在、健康管理のための時間通算は維持するが、割増賃金の支払いは通算不要とする方向が検討されています。
まとめ
今回の法改正案は主に「シフトが変則的」「労働時間が長い」「休日が変動的」「ダブルワークが多い」などの特徴がある事業場に影響がありそうです。
特に労働時間やシフトに関係する部分は急に変えられないので、法改正案を参考にしながら早めに検討を進めましょう。