2025年の最低賃金改定は全国加重平均で63円の引き上げ(約6.0%)と過去最大の改定幅となる見込みです。
はじめに
2025年8月4日、中央最低賃金審議会は「地域別最低賃金の引き上げ額の目安」を厚生労働大臣宛に答申しました。今回は全国加重平均で63円の引き上げ(約6.0%)と過去最大の改定幅になりそうです。以下、2025年最低賃金改定の内容について解説します。
改定のランク
都道府県ごとに決まる地域別最低賃金について、各都道府県は以下3のランクに分類され、地域格差是正のためCランクのみ64円と、他ランクより高い目安になっています。
新旧最低賃金比較
以下は、各都道府県の現行最低賃金と改定予定額の比較です。
スケジュール
最低賃金上昇を価格に転嫁する方法
政府方針によると今後数年は最低賃金上昇が継続することが見込まれています。そのため、上昇を見越した販売価格の見直しを考える必要があるでしょう。例えば、以下の方法はいかがでしょうか。
1.付加価値型のサービス・
商品の打ち出しによる単価アップ
単純な値上げではなく、「プラスα」の要素を加えて価格を上げる方法です。メニュー名やパッケージを刷新して「値上げ」ではなく「新商品・新サービス」として受け止められるような見せ方をしてはいかがでしょうか。
2.ターゲット客層の絞り込みと価格改定の同時実施
全ての顧客を維持する発想ではなく、価格感度が低い層をメインターゲットに据える方法です。飲食店ならランチ利用の低単価層は絞り、夜の高単価層やリピーター向けのメニューを強化するなどの方法です。
3.業務効率化による「実質値上げ」+「価格見直し」
値上げだけでなく、原価や人件費の削減で利益率を確保する方法です。例えば予約管理や勤怠管理のデジタル化でスタッフの稼働効率を上げ、1時間あたりの生産性を高めていく方法です。AIを活用して事務コストを軽減する方法も考えられます。
参考資料
<令和7年度地域別最低賃金額改定の目安について>
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_60788.html