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《2504》シニアの労働力活用における課題とその解決策

シニア層の労働力活用における「昔のやり方へのこだわり」「デジタル対応能力の不足」「世代間の対立」といった課題を解決するための具体的な方策を考察します。

はじめに

少子高齢化が進む日本では、労働力不足が深刻な課題となっています。特に飲食業界では、人材確保が難しくなる中、シニア層の活用が注目されています。日本マクドナルドでは、現在7,000人以上のシニア従業員が働いており、柔軟な雇用形態や働きがいを提供することで成功を収めています。本稿では、シニアの労働力を活用する上で課題となる諸問題の解決策を考察します。

「昔のやり方にこだわる」問題

シニア従業員の中には、過去の価値観へ固執し、新しい考え方を受け入れにくい人もいます。また、そもそも年齢的な衰えによりマルチタスクが苦手な場合もあるでしょう。企業側は、シニアの経験を活かせる役割を明確にしつつ、新しい考え方を取り入れやすい環境を整える必要があります。

環境整備の例

  • タスクを細かく分解して、一つの作業に集中しやすい環境を作る
  • メンター制度・バディ制度を導入し、若手従業員との協力関係を後押しすることで、過去の経験を活かしながら新しい価値観を学ぶ機会を提供する
  • シニア向けの研修やワークショップを開催し、シニア従業員に最新の業界動向や新しいビジネスモデルを学ぶ機会を提供する

デジタル対応能力不足の問題

シニア従業員の中にはITツールを使えない人もいますが、「こんなこともわからないのか」と非難しても問題は解決しません。シニア従業員がITツールを活用できるように、業務に直結したデジタル研修を実施することを検討しましょう。例えば、スマートフォンやパソコンの基本操作から始め、実務に必要なツール(例:メール、オンライン会議ツール、業務管理ソフトなど)に焦点を当てた研修を提供することで、シニア従業員が抵抗なくデジタルスキルを習得できます。

また、シニアが理解しやすいように業務プロセスをシンプルに変えることも効果的でしょう。タブレット端末のボタンや文字を大きくしたり、操作のフローを単純にしたりといった取り組みも効果が期待できます。

 

世代間の対立問題

世代間の価値観のズレによりチームワークが問題となることもあります。世代間の対立は、価値観の違いやコミュニケーション不足によって生じる傾向があるため、チームビルディングの強化が有効でしょう。

チームビルディング施策の例

  • 異世代交流会の開催:若手とシニアがフランクに意見交換できる場を設ける
  • バディ制度の導入:若手とシニアをペアにし、お互いの得意分野を共有し合う
  • チーム同士で競い合う:若手とシニアのペア単位で目標を決めて、社内で競い合う機会を設ける

まとめ

今後しばらく若手の労働力が不足する状況が続くと予想されます。その点で、シニア向けの労働環境整備は取り組む価値がある課題と言えるでしょう。

なお、シニア対策の多くは「未経験者」や「外国人労働者」に向けた対策とも重なります。これからの人材確保を考えたときに、「価値観やスキルが違う者同士が働ける環境を作る」ことは重要な経営課題となるでしょう。

多様な人材が活躍できる職場環境の実現のために、まずはシニア雇用の環境整備から初めてはいかがでしょうか。

参考資料

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