令和7年は、社会保障制度や税制について、大幅な見直しの議論が進められることになりそうです。次期年金制度改革に向けた議論もその一つですが、その内容には、企業実務に大きな影響を及ぼすものが含まれています。
令和6年12月下旬に、「社会保障審議会年金部会における議論の整理」が提示されましたので、企業実務に影響があるもののポイントを確認しておきましょう。
社会保障審議会年金部会における議論の整理(令和6年12月25日)のポイント
1.短時間労働者への被用者保険の適用について、企業規模要件(従業員51人以上)および賃金要件(いわゆる106万円の壁)を撤廃する
〈補足〉就業調整に対応した保険料負担割合を変更できる特例を導入することについては、意見が一致せず、今後検討を深める。
2.被用者保険の適用について、常時5人以上を使用する個人事業所の非適用業種を解消する
3.在職老齢年金を見直す(廃止か、基準額の引き上げかについては引き続き検討)
4.厚生年金保険の標準報酬月額の上限(現行65万円)の改定のルールを見直して新たな等級を追加する
※ ⑴が実現すれば、(4分の3基準に該当しない)短時間労働者への健康保険・厚生年金保険の適用の基準は、次のようになります。
※上記のほか、全労働者に共通の適用要件(2か月を超える雇用の見込みがあること、年齢が健保=75歳未満・厚年=70歳未満であることなど)を満たしていること
《補足》
今撤廃の時期については、今後の議論のなかで決められることになりますが、早々に施行すべきという意見も出ているようです。近い将来に、企業規模を問わず、「1週間の所定労働時間が20時間以上」であるパート等を、学生バイト等を除き、健康保険・厚生年金保険の被保険者として取り扱わなければならなくなる可能性があることは、知っておきましょう。
<社会保障審議会年金部会における議論の整理(令和6年12月25日社会保障審議会年金部会)>
https://www.mhlw.go.jp/content/12501000/001364986.pdf