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《2409》給与を過払いした場合に労働者から返還してもらえるか

計算のミス等により給与を過払いし、労働者から過払い分を返還してもらう際には注意すべきポイントがあります。

はじめに

計算のミスにより給与を過払いした場合は、労働者に返還を求めることになりますが、返してもらうためにはいくつか注意点があります。

過払い給与返還の法律知識

過払い給与の返還に関しては、以下の民法の規定が関係してきます。

この規定は、簡単にいうと「法律により本来受け取るべきでない人が受け取ったお金は返還しなければならない」というもので、給与・雇用に関連したケースとしては、例えば以下のようなパターンが考えられます。

  • 振込の間違いによる過払い
  • 住宅手当や家族手当の支給基準に当たらない期間に受け取った当該手当
  • 通勤経路を偽り受け取っていた通勤手当
  • 割増賃金の計算間違いによる過払い
  • 横領など不正に得た金銭

過払い給与返還の法律的根拠

過払いとなった給与(=不当利得)の返還を求める際は、以下の4つの要件を満たす必要があります。

これは、「もらうべきでないお金が会社から労働者に渡っていること、そこに法律上の根拠がないこと」が証明できれば返還請求できるという意味であり、会社側の過失の有無は関係がない点に注意が必要です。

つまり法律上は「給与計算間違いをしたのは会社のせいだから返還に応じない」と労働者は主張できないことになります。

実際の対応例

過払いが労働者の不正によるものであった場合はともかく、会社側が給与計算間違いをした場合にはその根拠を示して丁寧に対応する必要があるでしょう。

具体的には、給与計算間違い等による過払い給与は以下のような手順で返還をしてもらいましょう。

その他の留意点

住宅手当や家族手当、通勤手当の支給基準を就業規則や労働条件通知書で明確に労働者に周知していない場合は、民法703条に基づく返還請求権が生じない可能性もありますので、支給基準をきちんと周知するように気をつけましょう。

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