2023年3月からの協会けんぽ保険料率の変更について解説するとともに、健康寿命を延ばすための健康診断の実施にかかる費用補助制度について紹介します。
はじめに
WHOが「健康寿命:平均寿命から寝たきりや認知症など介護状態の期間を差し引いた期間」という新たな指標を示し、予防医療にさらなる関心が高まる中、健康診断受診の重要性が説かれています。
労働安全衛生法では、原則として年1回以上の健康診断実施義務を事業主に課しており、労働基準監督署の臨検調査においても健康診断実施状況は指導項目に入っています。以下健康診断について、協会けんぽ保険料変更の情報と併せて解説していきます。
協会けんぽ保険料の変更
協会けんぽの2021年度決算は、収入が11兆1,280億円、支出が10兆8,289億円となり、受診控えの影響などで前年度に減少していた医療費がコロナ前の水準を上回り、支出が大きく増加しました。この影響で、以下の表の通り2023年年3月以降多くの都道府県で保険料率が上がりました。
また、40歳から64歳までの方(介護保険第2号被保険者)にかかる介護保険料率も1.62%から1.82%へと上昇しました。
保険料は2023年3月分から変更となり、原則として4月に控除する保険料から変更となります。
生活習慣病予防健診の自己負担額
保険料上昇を抑えるために、協会けんぽでは健康診断(生活習慣病予防健診)に対する費用補助により受診を奨励しています。2023年度からは受診費用補助額が増額され、一部の被保険者について下記表の通り自己負担額が軽減された状態で受診できるようになります。
健診費用の補助対象となるのは、一般検診で35歳以上の男女、乳がんは40歳以上の偶数年齢の女性、子宮頸がん等は35歳以上の偶数年齢の女性など、年齢の設定があります。詳細は協会けんぽから届く検診対象者一覧をご確認ください。
健康診断と労働時間
一般健康診断については所定労働時間内に実施する義務はありませんので、所定休日に実施することとしても構いません。しかし、受診率を上げるためには所定労働時間内に実施することが望ましいとされています。