2023年の助成金活用戦略としては、以下の3つのことを念頭に置くことが重要です。
(1)賃上げ(生産性向上)
(2)人材育成(教育・研修)
(3)労働移動
今回は「賃上げ(生産性向上)」の助成金として、「業務改善助成金」についてお伝えします。
<制度の概要>
業務改善助成金は、中小企業・小規模事業者の生産性向上を支援し、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)の引上げを図るための制度です。
生産性向上のための設備投資等(機械設備、コンサルティング導入や人材育成・教育訓練)を行い、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げた場合、その設備投資などにかかった費用の一部を助成します。
なお、助成対象事業場は事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が30円以内の事業場です。
<主な支給要件>
(1)賃金引上計画を策定すること
事業場内最低賃金を一定額以上引き上げる(就業規則等に規定)
(2)引上げ後の賃金額を支払うこと
(3)生産性向上に資する機器・設備やコンサルティングの導入、人材育成・教育訓練を実施することにより業務改善を行い、その費用を支払うこと
注)単なる経費削減のための経費、職場環境を改善するための経費、通常の事業活動に伴う経費などは除きます
(4)解雇、賃金引下げ等の不交付事由がないこと など
<助成額>
申請コースごとに定める引上げ額以上、事業場内最低賃金を引き上げた場合、生産性向上のための設備投資等にかかった費用に助成率を乗じて算出した額を助成します(千円未満端数切り捨て)。
申請コースごとに、助成対象事業場、引上げ額、助成率、引き上げる労働者数、助成の上限額が定められています。
<上限額の引上げ>
第二次補正予算では、賃金引上げが困難だと思われる、事業場規模30人未満の事業者への助成額の上限が引上げされることになりました。
たとえば、引上げ額30円で対象となる労働者が1名の場合、30万円→60万円となります。
ただし、補助率(中小企業の場合は4/5または3/4)には変更はなく、あくまでも上限額が引き上げられるということに注意が必要です。
最低賃金に関しては、「働き方改革実行計画」(平成29年3月28日働き方改革実現会議決定) において、
「年率3%程度を目途として、名目GDP成長率にも配慮しつつ引き上げていく。
これにより、全国加重平均が1000円になることを目指す。
このような最低賃金の引き上げに向けて、中小企業、小規模事業者の生産性向上等のための支援や取引条件の改善を図る。
とされており、2022年6月7日に閣議決定された「骨太の方針」においても、改めてその方針が盛り込まれました。
したがって、今後も毎年引き上げられることがほぼ確実となっています。
ですから、最低賃金が低い都道府県においては、この助成金を活用することによって、毎年計画的に賃上げを実施することが非常に重要になります。