令和4年11月下旬、いわゆる賃金のデジタル払いを可能とするための「労働基準法施行規則の一部を改正する省令(令和4年厚生労働省令第158号)」が公布されました。
施行期日は、令和5年4月1日とされています。この改正の概要は、次のとおりです。
いわゆる賃金のデジタル払いが可能に 労働基準法施行規則の改正の概要
賃金の支払方法については、通貨のほか、労働者の同意を得た場合には、銀行その他の金融機関の預金又は貯金の口座への振込み等によることができることとされています。
キャッシュレス決済の普及や送金サービスの多様化が進む中で、資金移動業者の口座への資金移動を給与受取に活用するニーズも一定程度見られることも踏まえ、この度、使用者が、労働者の同意を得た場合に、一定の要件を満たすものとして厚生労働大臣の指定を受けた資金移動業者の口座への資金移動による賃金支払(いわゆる賃金のデジタル払い)ができることとしました。
資金移動業者の指定要件等については、労働政策審議会労働条件分科会において、公労使の代表に議論いただいた上で、定められました。
資金移動業者の指定に係る一定の要件としては、たとえば次のようなものがあります。
① 賃金支払に係る口座残高の上限額を100万円以下に設定していること又は100万円を超えた場合でも速やかに100万円以下にするための措置を講じていること。
② 破綻などにより口座残高の受取が困難となったときに、労働者に口座残高の全額を速やかに弁済することを保証する仕組みを有していること。
③ 労働者の意に反する不正な為替取引その他の当該労働者の責めに帰すことができない理由により口座残高に損失が生じたときに、その損失を補償する仕組みを有していること。
賃金のデジタル払いは、賃金の支払・受取の選択肢の1つです。
会社側は、希望しない労働者に強制してはなりません。
あくまでも、社員の同意を得ることが前提の制度となっています。政府の強い要望で実現したものですが、企業としては、メリットとデメリットを見極める必要があるでしょう。
<資金移動業者の口座への賃金支払(賃金のデジタル払い)について>
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/shienjigyou/03_00028.html