人材開発支援助成金は、事業主が労働者に対して訓練を実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を助成する制度です。
本助成金に関して、9月1日と10月1日の二度にわたり、制度の見直し(要件緩和)が行われましたので、本日はその内容についてお伝えします。
<9月1日の改正>
(1)訓練施設の要件変更(全コース共通)
対象となる訓練施設のうち「申請事業主以外の事業主・事業主団体 の設置する施設」において、申請事業主と関係性が認められる者が設置する施設は対象外としていましたが、当該要件を廃止しました。
【改正により対象となる施設】
・申請事業主(取締役含む)の3親等以内の親族が設置する施設
・申請事業主の取締役が設置する施設
・申請事業主が雇用する労働者が設置する施設
・グループ事業主が設置する施設で不特定の者を対象とせずに訓練を実施する施設
・申請事業主が設置する別法人の施設
・申請事業主の代表取締役が個人事業主として設置する施設
(2)提出書類の省略(全コース共通)
同時双方向型の通信訓練を実施した場合に、支給申請の際に提出が必要となる「受講者の出席状況が分かるログ、訓練受講時の受講者を撮影したスクリーンショット等」について、提出を省略しました。
(3)定額制訓練の要件変更(人への投資コース)
【変更点1】
既に定額制サービス(サブスクリプション型の研修サービス)の契約期間の初日が到来している場合※も助成対象としました。
※通常は、契約期間の初日から起算して1か月前までに計画届を提出している必要があります。
【変更点2】
定額制サービスのうち受講を修了した教育訓練が「2つ以上」必要とする要件を、「1つ以上」に緩和しました。
【変更点3】
同時に複数の異なる定額制サービスを利用している場合に、1つの契約のみ支給対象とする要件を廃止しました。
【変更点4】
定額制サービスでは、eラーニングで実施されるサービスを助成対象としていましたが、同時双方向型の通信訓練で実施されるサービスも助成対象としました。
(4)OJT訓練指導者の要件変更(人への投資コース)
情報技術分野認定実習併用職業訓練のOJT訓練指導者の要件である『資格(ITSSレベル2以上)取得している者または情報処理・通信技術者としての実務経験が通算で「10年以上」である者』のうち、実務経験の通算年数を「5年以上」に緩和しました。
(5)教育訓練短時間勤務制度の要件変更(人への投資コース)
【変更点1】制度を適用する回数の要件を「30回」から「1回」に緩和しました。
【変更点2】
所定外労働時間の免除を行う場合、制度を適用した最初の日の前日以前3か月の一月の平均所定外労働時間が15時間以上である者に対して制度を適用する必要がありましたが、当該要件を廃止しました
(6)OJT実施要件の変更(一般訓練を除く全コース)
OJT訓練指導者が1日に指導できる受講者の人数は3名までとしていましたが、当該要件を廃止しました。
<10月1日の改正>
(1)提出書類の省略(全コース共通)
一般教育訓練等(専門実践教育訓練、特定一般教育訓練及び一般教育訓練の指定講座の訓練)を実施した場合に、支給申請の際に提出が必要となる「一般教育訓練等の経費負担額に関する申立書」の提出を省略しました。
(2)定額制訓練の要件変更及び提出書類の簡略化(人への投資コース)
【変更点1】
特段の理由なく契約期間の初日から起算して1か月前までの提出期限を経過し、かつ契約期間の初日が到来していない定額制サービス(サブスクリプション型の研修サービス)についても、助成対象としました。(計画届の提出日から1か月後を契約期間の初日とみなします。)
【変更点2】
計画届の際に提出が必要となる「訓練別の対象者一覧(様式第4-1号)」について、定額制訓練では、記載内容を簡略化の上、「定額制訓練に関する対象者一覧(様式第4−2号)」を提出することに変更しました。
【変更点3】
計画届の際に提出が必要となる「対象者全員分の雇用契約書等の写し」を省略し、支給申請の際に、受講時間数が10時間以上の要件を満たす対象者分の雇用契約書等の写しを提出することに変更しました。
(3)高度デジタル人材訓練の要件変更(人への投資コース)
対象事業主の要件に、「企業におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)を進めるために、事業主において企業経営や人材育成の方向性の検討を行い、この検討を踏まえて事業内計画等の計画を策定している事業主」を追加しました。また、この要件を適用する場合、計画届の添付資料に「事業主におけるDXの推進に関する申立書(様式第3-4号)」及び「検討を踏まえて策定した事業内計画等」を追加しました。
(4)情報技術分野認定実習併用訓練の要件変更および提出書類の省略(人への投資コース)
【変更点1】
対象労働者について、未経験者又はキャリアコンサルティングの中で過去の職業経験の実態等から必要と認められる者(情報処理・通信技術者としての業務経験が概ね1年未満の者)としていましたが、 経験年数が1年以上であっても当該業務から長期間離れていたなど、キャリアコンサルティングの結果、職業経験の実態等から必要と認められる者を対象とすることにしました。(業務経験が概ね1年未満の者の部分を削除)
【変更点2】
計画届の際に提出が必要となる「認定実習併用職業訓練の実施計画認定通知書(写)」の提出を省略しました。
【変更点3】
計画届の際に提出が必要となる「対象労働者の生年月日がわかる書類」の提出を省略しました。
(5)認定実習併用訓練の提出書類省略(特定訓練コース)
計画届の際に提出が必要となる「認定実習併用職業訓練の実施計画認定通知書(写)」の提出を省略しました。
以上の通り、人材開発支援助成金の要件が次々と緩和されています。