社労士法人アノテコのニュース

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《2210j》助成金の多重不正受給が1年経ってから公表された事例

岡山労働局は8月26日、助成金の不正受給事案を公表しました。
公表された事案の内容は、以下の通りです。

◆人材開発支援助成金(特別育成訓練コース)
439,080円(全額返還済み)
訓練の実態がなかったにも関わらず、虚偽の書類を作成し、当該助成金の不正受給に関与したもの。

 

◆特定求職者雇用開発助成金(生涯現役コース)
700,000円(全額返還済み)
過去3年以内に勤務、採用の内定があるにも関わらず、形式的にハローワークでの紹介を受けさせて、当該助成金
の不正受給に関与したもの。

 

◆キャリアアップ助成金(正社員化コース)
570,000円(不支給)
実態と異なる月給制の契約書を作成し、また支給要件である「賃金5%上昇」を満たすために、事実と異なる内容に賃金
台帳を改ざんし、当該助成金の不正受給に関与したもの

 

◆キャリアアップ助成金(正社員化コース)
570,000円(不支給)
正社員待遇と認められるような雇用契約書を作成し、当該助成金の不正受給に関与したもの。

 

◆キャリアアップ助成金(正社員化コース)
570,000円
支給要件を満たすように事実と異なる賃金台帳を作成し、当該助成金の不正受給に関与したもの

 

◆雇用調整助成金
24,580,667円(全額返還済み)
当該助成金の支給申請において、虚偽の申請書類を事業主に断りなく作成し、当該助成金の不正受給に関与したもの

上記の不正受給はすべて1人の社会保険労務士が行ったものです。
(この男は社労士資格をはく奪され、登録が抹消されています)

これだけの不正受給をしていたことだけでも驚きなのですが、実はこの男、昨年にも以下の不正受給を行って逮捕・起訴されていたのです。

 

◆雇用調整助成金
5,299,931円(全額返納済み)
5,200,515円(未遂分)
休業を実施していないにもかかわらず、虚偽の関係書類を作成し不正に受給した(しようとした)もの。

 

◆人材開発支援助成金
624,520円(全額返納済み)
訓練を実施していないにもかかわらず、虚偽の関係書類を作成し不正に受給したもの

結局のところ、不正受給が「常習化」しており、氷山の一角から不正が明らかになり、芋ヅル式に摘発されたということでしょう。

 

事態を重く受け止めた岡山労働局では、ホームページ上で以下のような「不正受給に関する除法提供」を募集しています。
岡山労働局所管の助成金が対象となっている事業所で、不適切な事務処理や不正行為等がありましたら、
下記フォーマットから情報をお寄せください。
個人の情報等は守秘いたします。

助成金の不正受給が発覚すると、企業名が公表されることはもちろん、悪質な場合には詐欺罪として刑事告発されることも
ありますので、不正受給は絶対に行わないようにして下さい。

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