厚生労働省は、労働基準監督署が監督指導を行った結果、令和3年度に、不払いとなっていた割増賃金が支払われたもののうち、支払額が1企業で合計100万円以上となった事案を取りまとめ、事例とともに公表しましました。そのポイントを確認しておきましょう。
令和3年度の監督指導による賃金不払残業の是正結果のポイントと主な事例
令和3年度の監督指導による賃金不払残業の是正結果のポイント
・是正企業数→1,069企業(前年度比7企業の増)
・支払われた割増賃金の平均額は、1企業当たり609万円(同49万円の減)、労働者1人当たり10万円(同1万円の減)
主な事例/保健衛生業に対して行われた監督指導とその企業が実施した取組の事例
・「時間外労働を行った時間について申請させてもらえず、割増賃金が不払となっている」との情報を基に監督指導を実施。
↓指導の内容
・労働者からの聴き取り調査において、企業全体で残業時間を過少申告する風潮があることや、管理者による勤怠システムの改ざんの疑いが確認できたため、勤怠記録と警備記録との間の乖離の原因究明や労働時間の過小申告等より不払となっている割増賃金を支払うよう指導。
↓企業が実施した賃金不払残業の解消のための取組(概要)
①労基署の職員を講師として、各施設の管理者を対象とした労働時間の適正な管理に関する研修会を実施した。
②勤怠記録と業務で使用するパソコン等の記録等を確認することにより適正な労働時間が記録されているか確認することとした。
③実態調査の中で割増賃金を支払うための十分な予算措置が講じられておらず、残業時間を適正に申告してもその時間に対する割増賃金が払われないことが、残業時間を過小に申告するようになった要因の1つと判明したため、予算を理由として割増賃金が適正に支払われないことがないよう予算管理の部署と連携し、必要な予算措置を講じた。
企業としては、監督指導の対象とならないよう、日頃から、割増賃金の支払を、適正に、確実に行っておく必要があります。