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《2209》短時間労働者に対する社会保険の更なる適用拡大 深掘り解説②、③

令和4年10月から、常時100人を超え500人以下の規模の事業所も「特定適用事業所」とされるため、当該事業所では、これまで健康保険・厚生年金保険の被保険者でなかった短時間労働者のうち、週所定労働時間20時間以上、月額賃金8.8万円以上などの要件を満たす者を、健康保険・厚生年金保険の被保険者として取り扱う必要があります。

その対象となる事業所では、どのような手続きが必要となるのでしょうか?

②規模要件に該当した企業における手続きは?

通常、特定適用事業所に該当した場合、日本年金機構の事務センター等へ特定適用事業所該当届を届け出る必要があります(健康保険組合が管掌する健康保険の特定適用事業所該当届については、健康保険組合へ届け出ることになります)。

しかし

新たな規模要件に該当し、施行日(令和4年10月1日)から特定適用事業所に該当する場合については、次のように取り扱うこととされています。

令和3年10月から令和4年8月までの各月のうち、使用される厚生年金保険の被保険者の総数が6か月以上100人を超えたことが確認できる場合は、日本年金機構において対象の適用事業所を特定適用事業所に該当したものとして扱い、対象の適用事業所に対して「特定適用事業所該当通知書」を送付するため、特定適用事業所該当届の届出は不要です(法人事業所の場合は、同一の法人番号を有する全ての適用事業所に対して通知書を送付します)。

なお、特定適用事業所となったことに伴い、新たに被保険者資格を取得する短時間労働者がいる場合は、各適用事業所がその者に係る被保険者資格取得届を日本年金機構の事務センター等へ届け出る必要があります(健康保険組合が管掌する健康保険の被保険者資格取得届については、健康保険組合へ届け出ることになります)。

上記のように特定適用事業所に該当したことについては、手続きは不要です。逆にいえば、要件に該当していれば、手続きをしなくても、特定適用事業所として取り扱われることになります。

 

③短時間労働者に対する社会保険の更なる適用拡大 少し深堀りします!

令和4年10月から、新たに「特定適用事業所」となる事業所では、これまで健康保険・厚生年金保険の被保険者でなかった短時間労働者のうち、次の要件に該当する者も、健康保険・厚生年金保険の被保険者として取り扱う必要があります。

・1週間の所定労働時間が20時間以上
・月額賃金8万8,000円以上
・学生でない

(勤務期間の要件は、通常の労働者と同様、「2か月を超える見込みがある」ことを適用)

今回は、「1週間の所定労働時間が20時間以上」という要件を取り上げます。

 

1週間の所定労働時間が20時間以上とは?

一般的に問題となるケースを確認しておきましょう。

  • 所定労働時間が1か月単位で定められている場合
    ➡1か月の所定労働時間を12分の52で除して、1週間の所定労働時間を算出します。「12」は1年間の月数、「52」は1年間の週数を表しています。12分の52で除す、ということは、52分の12を掛けるということですが、そうすることで、次のような計算を行っていると考えられます。

1か月の所定労働時間×12=1年間の所定労働時間 → 1年の所定労働時間÷52=1週間の所定労働時間

ちなみに、これとは逆に、1週間の所定労働時間を1か月の所定労働時間に換算する場合は、1週間の所定労働時間に12分の52を掛ければよいことになります。1週間の所定労働時間20時間が、1か月で何時間相当かというと、20時間×52÷12=86.66…で、約87時間となります。

ついでに、少し特殊なケースについても確認しておきましょう。

  • 夏季休暇等のため夏季の特定の月の所定労働時間が例外的に短く定められている場合や、繁忙期間中の特定の月の所定労働時間が例外的に長く定められている場合等

➡当該特定の月以外の通常の月の所定労働時間を12分の52で除して、1週間の所定労働時間を算出します。

 

なお、雇用保険の適用要件としての「1週間の所定労働時間が20時間以上」の判断についても、ここで取り上げた内容と同様に判断することが行政手引で示されています。したがって、これまでに「1週間の所定労働時間が20時間以上」と判断していた社員については、健康保険・厚生年金保険の適用における「1週間の所定労働時間が20時間以上」という要件も満たしていると考えられます。

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