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《2209》企業における「安否確認」対策

緊急時や災害時など、従業員の安否確認が必要な場面に企業としてどのように備えれば良いでしょうか。個人情報取得の際の注意点についても解説します。

はじめに

自然災害、緊急時、行方不明、急病、事故などで従業員または関係者に安否確認や連絡を取りたい場合、企業として安否確認対策をどのように講じれば良いでしょうか。また、プライバシーについてどのように配慮をすれば良いかについて解説します。

 

根拠1:安全配慮義務

労働契約法第5条に「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。」と定められている通り、企業は労働者の労働の際の安全に配慮する義務があります。自然災害など有事の際に安否確認をする義務は謳っていないものの、安全に働ける状況であるかを確認する連絡手段を持つことは広く安全に配慮する労務管理の一つでしょう。

 

根拠2:BCP

自然災害など緊急事態発生時に事業資産の被害を最小限に留めつつ、事業を復旧、継続していくために企業が策定する計画のことを、BCP(Business Continuity Plan、事業継続計画)と呼びます。働く人がいないと事業を継続できないため、安否確認の仕組みを整備することはBCPの観点からも必要と言えます。

 

具体的な手順

①安否確認の場面設定

安否確認の連絡を企業が行う場面をあらかじめ設定します。例えば「自然災害」「感染症拡大」「事件・事故」「戦争・紛争」「海外渡航」「行方不明」などが考えられます。安否確認する場面を特定することは「非常時以外はいたずらにお互いの個人情報を使用しない」という安心感を示す意味でも重要です。

 

②取得する個人情報の範囲検討

入社時に収集する「住所」「電話番号」「メールアドレス」の他に、LINE、FacebookなどのメッセンジャーアプリのIDなどを範囲に含めるか、また家族、親戚、実家の住所や連絡先まで含めるかを検討します。安否確認という目的から考えると本人の居住地以外の連絡先を把握していた方がよいでしょう。

 

③安否確認方法の検討

自然災害などの際は、電話やインターネットの混雑や通信障害が併発する可能性が高いため、安否確認をより確実にするために安否確認のための外部サービスを検討しても良いでしょう。例えばSMS(ショートメッセージ)を利用した法人向け安否確認サービスなどがあります。労働者の平均年齢によっては昔ながらの「緊急連絡網」を作成した方が良いこともあるでしょう。

 

④各労働者への説明と同意取得

目的と利用方法を示した上で労働者の同意を得て個人情報を取得します。安否確認の為であっても、同意しない個人情報の提供を会社が強制することはできません。

 

⑤個人情報管理

収集した個人情報が安否確認以外の目的で利用されることのないように保管・管理をします。情報へのアクセス制限など対策が必要でしょう。ただし過度に厳重に管理しすぎて緊急時に情報が取り出せないようでは困るので、有事を想定した管理方法を検討しましょう。

 

その他の注意点

個人情報漏洩に注意することはもちろんのこと、担当従業員等が個人情報を私的に流用することのないように気をつけなければなりません。例えば安否確認用の個人情報を用いてセクハラをはたらいた場合に厳しい懲戒処分を設定するなどしてトラブルを抑止しましょう。

 

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