この2年半はコロナに翻弄され、助成金分野でも「雇用調整助成金(雇調金)」が非常に大きくクローズアップされてきました。
5兆円を超える予算が投入され、失業の防止(雇用の維持)に対しては大きな役割を果たしてきましたが、その一方で不正受給の摘発も相次いでいます。
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そこで、本日は助成金を正しく申請するための「受給環境整備」についてお伝えしたいと思います。
不正受給の事例は「虚偽・架空の申請」や「書類の改ざん」などが代表的なものでしたが、最近では助成金申請とは直接関係ない部分でも、ハローワークや労働局の調査が厳しくなってきています。
また、助成金の申請時にはチェックされることがなかったとしても、後から実地調査が入ることもあるため、前提として正しい労務管理、帳簿の整備を行っておく必要があります。
私たちは、これを「助成金の受給環境整備」と呼んでいます。
つまり、「助成金を受給できるように適正な労務管理を行う」ということです。
具体的には、以下の内容について問題がないかとどうかを確認します。
★労働条件が明示されているか?(労働条件通知書が交付されているか?)
★労働者名簿が整備され、かつ必要事項が記載されているか?
★出勤簿(タイムカード)が整備され、かつ打刻漏れがないか?
★賃金台帳が整備され、かつ法定項目(労働時間等)が記載されているか?
★有給休暇管理台帳が整備されているか?
★残業代が法定通りきちんと支払われているか?
★最低賃金を下回っていないか?
★36協定が締結され、かつ届出がされているか?
★労働者代表が適正に選出されているか?
★社会保険・労働保険に適正に加入し、かつ保険料の滞納がないか?
上記のような労務管理が適切に行われていることが、助成金を受給するための前提条件になります。
助成金というのは、「タダで貰えて返済の必要のないお金」と思われている経営者の方も多いです。
ですが、そのためには 助成金を受給するための環境が整備されている必要がある
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ということを忘れないで下さい。
そして、これらの法定帳簿を改ざんすることは「不正受給」に該当しますので、絶対にしないようにお願い致します。
助成金というのは本来、「労働者が働きやすい職場環境を整備する」「労働者の職業能力の向上を図る」ことに取り組む事業主に対して支給されるものであり、会社の資金繰りを改善させることを目的に「お金」を配るものではありません。