2022年7月以降の雇用調整助成金の特例措置がさらに延長されることとなりました。延長の内容とともに、今までの制度の変遷を解説します。
原則と特例の違い
雇用調整助成金とは、「新型コロナウイルス感染症の影響」により、「①事業活動の縮小」を余儀なくされた場合に、従業員の雇用維持を図るために、労使間の協定に基づき、「②雇用調整(休業)」や「出向」を実施する事業主に対して、休業手当などの一部を助成するものですが、この①事業活動の縮小の程度によって給付率と上限に差が設けられています。
また、雇用維持を目的とした助成金であることから、会社都合の解雇などを行った会社とそうでない会社にも差があります。中小企業の現在の助成金の支給条件は以下の表の通りとなっています。
※1事業活動縮小要件以外に、緊急事態宣言などの対象地域で営業時間短縮要請に従う場合も特例対象となる
※2( )内は解雇等をした場合の助成率
なお、四半期売上等の比較方法は、判定基礎期間の初日が属する月から遡って3ヶ月間の生産指標と、1,2,3年前の同月を比較します。例えば6月21日から7月20日までの期間における生産指標は「2022年の4,5,6月」と「1〜3年前の4,5,6月」となります。
延長の内容
今回、前述した特例が2022年9月まで延長されることが発表されました。つまり判定基礎期間の初日が9月中の期間分(例えば給与締日が20日の事業所の場合9月21日から10月20日までの期間分)の雇用調整助成金まで特例対象となる見込みです。
調査強化の動向
2022年4月1日以降に初日がある判定基礎期間の支給申請分から、一部審査が厳格化されています。具体的には、雇用保険の適用が1年未満の事業主等は、休業手当支払いを裏付ける以下の書類の写しを追加で提出する必要があります。
休業手当を含む給与の支払いが確認できる以下の①および②の書類の写し
- 源泉所得税の直近の納付を確認できる書類(給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書の領収日印があるものなど、納付を確認できる書類)
- 給与振込を確認できる書類(給与振込依頼書や給与支払いを確認できる通帳など。手渡し(現金払い)の労働者がいる場合は会社名・金額・氏名(労働者の直筆)・住所・電話番号・受領日を明記した領収証)
また、緊急雇用安定助成金(雇用保険加入対象でない労働者の休業に対する助成金)の申請事業主に対しては、一部の場合に次の書類提出が求められることがあります。
休業対象労働者全員の氏名、年齢および住所が確認できる「住民票記載事項証明書(マイナンバーは不要)、運転免許証、マイナンバーカード表面、パスポート(住所記載欄があるもの)、在留カード、特別永住者証明書、障害者手帳、健康保険被保険者証(住所記載欄があるもの)等」