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《2203》「シフト制」労働者の雇用管理を適切に行うための留意事項

コロナ等を理由に「シフト制」労働者の勤務シフトを減らすことで問題が起きています。シフトを保障することは企業の義務なのか、厚労省が発表した留意事項を元に解説します。

 

「シフト制」の課題

「シフト制」とは、労働契約の締結時点では労働日や労働時間を確定的に定めず、一定期間(1週間、1ヶ月など)ごとに作成される勤務シフトなどで、初めて具体的な労働日や労働時間が確定するような勤務形態をいいます。飲食店などサービス業のアルバイトが典型的なシフト制労働でしょう。今回の新型コロナウイルス騒動により、極端なシフト減となったアルバイトから休業手当などの補償を求めるケースが多く見られるようになりました。一方で、もともとシフトに非協力的なアルバイトに対しても従前のシフトを保障するべきかという問題も起こっています。

 

労働条件の明治義務とシフト制

労働契約の締結時には、労働者に対して「始業・終業時刻、休憩、休日」を明示しなければなりません。この労働時間の明示について、建前上は「シフトによる」と記載するだけでは十分でないとされています。

しかし、現実的なシフト作成には「日毎の繁閑の差」「急な欠員」「労働者側の都合」など変数が多く存在するため、どうしてもシフト自体が流動的なものになってしまいます。

今回のコロナ禍によって曖昧なシフト契約の課題が明らかになったため、厚労省から次のような留意事項が示されました。

 

留意事項1:始業・終業時刻

労働契約の締結時点で、すでに始業と終業の時刻が確定している日については、労働日ごとの始業・終業時刻を明記するか、原則的な始業・終業時刻を記載した上で、労働契約の締結と同時に定める一定期間分のシフト表等を併せて労働者に交付する必要があります。

 

留意事項2:休日

具体的な曜日等が確定していない場合でも、休日の設定にかかる基本的な考え方などを明記する必要があります。当然、週1日または4週4日以上の法律ルールも守らなければなりません。

 

留意事項3:シフトのルール周知

トラブルを防止する観点から、シフト制労働契約では、シフトの作成・変更・設定などについても労使で話し合って以下のようなルールを定めて周知することが推奨されています。

①シフト作成のルール

シフト希望の提出期限を決める/決定したシフトの通知日と通知方法(毎月○日にグループLINEで発表する等)

 

②シフト変更のルール

労働者または会社側からのシフト変更の期限や手続方法/会社側からシフトを減らした時の休業手当の支払いのルール等

 

③目安の設定

給与締日ごとの最大勤務日数、時間数など/勤務時間帯の範囲/最低限労働する日数、時間数等

 

誠実な話し合いの重要性

今回のコロナ禍のような社会情勢の急激な変化によって想定外のシフト調整を余儀なくされる場合に重要なのは、労使で誠実に話し合うことでしょう。会社の要請を聞き入れて急な出勤に応じてくれるアルバイトもいれば、自分の都合を優先して働く日を選べることを重視するアルバイトもいます。

働き方についての価値観が多様な中でどのように仕事の機会をシェアするべきかを会社が真剣に考え、誠実に労働者と話し合いをする姿勢を持つべきでしょう。

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