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《2107》中小企業版・ジョブ型雇用のススメ

「年功序列・終身雇用制度」「職能資格賃金制度」などの雇用制度に代わるものとして「ジョブ型雇用」が話題になっています。中小企業がジョブ型雇用制度を導入する際の注意点について整理します。

 

はじめに

近年にわかに「ジョブ型雇用」という言葉が取り沙汰されるようになりました。

従来の日本型雇用と比較して、より時代にマッチしているという評判があるようですが、実際に中小企業に適合するのでしょうか。以下ジョブ型雇用の解説と中小企業への適合性を考察していきましょう。

 

ジョブ型とメンバーシップ型

「ジョブ型雇用」とは、「ジョブディスクリプション(職務記述書)」で職務を定義して雇用することを言います。

①必要な仕事を先に決め
②その仕事に適合する人物を探して雇用する

という順番で採用活動を行います。

一方、新卒一括採用・終身雇用などの日本式雇用手法を「メンバーシップ型雇用」などと言います。

これは、

①組織風土にフィットする人物をまずメンバーとして迎え入れ
②その人物に段階的に仕事をあてがっていく

という順序で雇用をします。その他、両者には以下の表のような違いがあります。

日本の労働市場では従来から「新卒はメンバーシップ型で雇用、中途採用はジョブ型で雇用」という使い分けがなされていました。

 

メンバーシップ型の問題

メンバーシップ型雇用の場合、急速な時代の変化に対応できないことが問題の一つと言われています。

例えば教育に時間がかかる、人余りになった時に解雇がしにくい、短時間勤務やテレワークなどの多様な働き方に対して対応しにくい、などの点があげられます。

その点ジョブ型雇用の場合は、その都度必要な仕事に対してスキルを備えた労働力を調達できるという点で時代にあっているという見方がされています。

 

中小企業の実態とジョブ型雇用

では、実際に中小企業にジョブ型雇用が適合するでしょうか。

「専門スキルを活用しやすい」などの理由からジョブ型雇用での勤務を好む人が一部では増えているものの、多数の被雇用者は未だ日本式メンバーシップ型での長期安定的な雇用、変動の少ない安定した給与を望んでいるのではないでしょうか。

そしてそのボリュームゾーンにいる人たちの多くは、突出した独自の技術を持っているというよりも、ゼネラリストとして働いてきた傾向があり、そのためにジョブ型雇用導入を歓迎しない可能性があります。

このことから、安定的労働力を確保するためには、ある程度メンバーシップ型の要素を残した上で部分的にジョブ型への移行を検討する必要がありそうです。

 

ハイブリッド式雇用の検討

例えば、勤続年数に比例して安定的に昇給する「基本生活給」を土台として、職務内容に応じた「職務給」を上乗せするようなハイブリッド型賃金制度はいかがでしょうか。

土台としての雇用を保障しつつ、職務定義と評価はジョブ型雇用方式により個別の労働者ごとに行うようなメリハリのある人事制度が、これからは求められそうです。

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