単行本:256ページ
出 版:PHP研究所
価 格:1650円(税別)
はじめに
「褒めるべきか叱るべきか……そもそもあまり話しかけない方が良いの?」上司と部下の関係が複雑化している昨今、メンバーが自ら動き出す「任せ方」のコツを掴むことが、優秀なリーダーにとって欠かせないスキルと言えます。
「頑張るポイント」を変えるだけ
リーダーとしての責務を感じて、多くの業務を多角的に進めようとしているケースが多くみられます。もちろんそれも重要な役割ではあるのですが、“やらなければいけないこと”が増えるばかりでは、優秀なリーダーになることはできません。
実際、「上場企業の課長に関する実態調査(2017年11月実施/産業能率大学調べ)」でも、約6割のリーダーが、3年前と比べて業務量が増えていると回答しています。
本書内で述べられている通り、そもそもリーダーとは忙殺されがちな立場にあります。そのため部下から「自分の話を聞いてくれない」「放置されている気がする」「評価されていないように思う」といったような印象を持たれてしまいがちです。
優秀なリーダーになるために改善すべきポイントは、抱えている業務を「いかに速くやるか」ではなく「いかに任せていくか」というところにあるのです。
最初の3年で成長率は決まる
部下に仕事を任せられない人に共通するものとして、任せることを検討している分野において、自分の方が精通しているという特徴があります。つまり「任せられない」のではなく、自分がやった方がベターだと思っているので「任せたくない」と考えているわけです。
しかし、最初の3年の間に重要な仕事を任せなかったために、4年目以降の成長を遅らせてしまうという調査報告があります。とにかく早い段階である程度の重責を担わせることが、次代のリーダーや幹部を早期育成するために欠かせないことなのです。
「厳しさ」を「丁寧さ」に置き換える
部下に仕事を任せた場合、多少なりともミスが生まれることもあるでしょう。しかし、今は厳しさがパワハラになる時代でもあり、思うように指導ができない場合も多いのではないでしょうか。だからといって、「何があっても叱ってはいけない」と過剰に考えてしまうことも筆者は否定しています。
大切なことは「厳しさ」を「丁寧さ」に変換することです。感情的になり、頭ごなしに説教することはもちろん厳禁です。
新入社員たちが思い描く理想的な上司の1位、2位は、次のようなものでした。
1位:部下の意見・要望を傾聴する上司
2位:仕事について丁寧な指導をする上司
こちらの順位からも分かる通り、新入社員は指導されたくないとは考えていないのです。「分からないことだらけだから、厳しく指導する前に丁寧に教えて欲しい」というのが本音といえるでしょう。
コロナ禍による勤務体制の変化により、今までよりも社内のコミュニケーションが複雑化しています。
そんな状況だからこそ、これまでは自分で進めていた業務を部下に預け、大幅なレベルアップを促す絶好の機会と言えるのではないでしょうか。
できるリーダーが持つべきマインドやテクニックを丁寧に解説しているおすすめの一冊です。