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《2104》★70歳までの就業機会の確保についてのQ&A

高年齢者雇用安定法の改正により、70歳までの就業機会を確保するため、65歳から70歳までの高年齢者就業確保措置として、定年引上げ、継続雇用制度の導入、定年廃止、労使が同意した上での雇用以外の創業支援等措置の導入のいずれかを講じることが努力義務化されました(令和3年4月~)。

厚生労働省からは、この改正に関するQ&Aが公表されていますので、いくつか確認しておきましょう。

高齢化が進む我が国において、ベテランの知識や技能を活用していくことは不可欠です。積極的に高年齢者就業確保措置を導入していくことが、企業にとって最善といえるかもしれません。

 

※以下、厚生労働省資料「高年齢者雇用安定法 Q&A」(令和3年2月26日)より抜粋

1.高年齢者就業確保措置

Q.まずは 67 歳までの継続雇用制度を導入するなど、高年齢者就業確保措置を段階的に講ずることは可能でしょうか。

 

A.段階的に措置を講ずることも可能です。ただし、改正法で努力義務として求めているのは 70 歳までの就業機会を確保する制度を講じることであるため、70 歳までの制度を導入することに努め続けていただくことが必要です。なお、既に 67 歳までの継続雇用制度を講じている場合についても同様です。

 

Q.65歳以降70歳までの就業確保措置を講じる際に、就業規則を変更する必要はあるのでしょうか。

 

A.常時10人以上の労働者を使用する使用者は、法定の事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならないこととされており、また法定の事項について変更した場合についても同様とされています(労働基準法第89条)。

定年の引き上げ、継続雇用制度の延長等の措置を講じる場合や、創業支援等措置に係る制度を社内で新たに設ける場合には、同条の「退職に関する事項(同条第3号)」等に該当するものとして、就業規則を作成、変更し、所轄の労働基準監督署長に届け出る必要があります。

なお、創業支援等措置を講じる場合には、就業規則の変更とは別に、創業支援等措置の実施に関する計画を作成し、過半数労働組合等の同意を得る必要があります。この計画については、届け出る必要はありません。

 

Q.当分の間、65 歳に達する労働者がいない場合でも、高年齢者就業確保措置を講じなければならないのでしょうか。

 

A.高年齢者雇用確保措置と同様に、全ての企業に対して一律に適用される努力義務ですので、当分の間、65 歳以上の労働者が生じない企業も含めて、高年齢者就業確保措置を講じるよう努めることが必要です。

 

Q.事業主が、雇用する高年齢者に対して高年齢者就業確保措置を利用する希望があるかどうかを聴取するのは、65 歳の直前でなければならないのでしょうか。例えば、定年を 60 歳に定める会社が 65 歳まで特殊関係事業主で継続雇用を行い、65 歳から 70 歳まで NPO 法人で創業支援等措置を行う場合において、高年齢者の希望を聴取すべきタイミングはいつですか。

 

A.改正法第 10 条の2第1項では、「その雇用する高年齢者が希望するときは」とあるため、事業主は雇用している高年齢者が 65 歳を迎えるまでに希望を聴取する必要がありますが、タイミングについては 65 歳の直前でなくても構いません。

また、ご指摘の場合については、定年まで雇用した事業主が、60 歳定年前に高年齢者の希望を聴取していれば、法律上の努力義務としては特殊関係事業主で雇用された後においても希望を聴取することまでは求めていません。

ただし、改正法の趣旨を踏まえれば、可能な限り個々の高年齢者のニーズや知識・経験・能力等に応じた業務内容及び就業条件とすることが必要であるため、特殊関係事業主に雇用された後に改めて高年齢者の希望を聴取し、適切な措置を講ずることが望ましいです。

 

Q.対象者を限定する基準とはどのようなものなのですか。

 

A.対象者を限定する基準の策定に当たっては、過半数労働組合等と事業主との間で十分に協議の上、各企業の実情に応じて定められることを想定しており、その内容については、原則として労使に委ねられるものです。

ただし、労使で十分に協議の上、定められたものであっても、事業主が恣意的に特定の高年齢者を措置の対象から除外しようとするなど高年齢者雇用安定法の趣旨や、他の労働関連法令に反する又は公序良俗に反するものは認められません。

 

【適切ではないと考えられる例】

★『会社が必要と認めた者に限る』(基準がないことと等しく、これのみでは本改正の趣旨に反するおそれがある)
★『上司の推薦がある者に限る』(基準がないことと等しく、これのみでは本改正の趣旨に反するおそれがある)
★『男性(女性)に限る』(男女差別に該当)
★『組合活動に従事していない者』(不当労働行為に該当)

なお、対象者を限定する基準については、以下の点に留意して策定されたものが望ましいと考えられます。

①意欲、能力等をできる限り具体的に測るものであること(具体性)
→労働者自ら基準に適合するか否かを一定程度予見することができ、到達していない労働者に対して能力開発等を促すことができるような具体性を有するものであること。

②必要とされる能力等が客観的に示されており、該当可能性を予見することができるものであること(客観性)
→企業や上司等の主観的な選択ではなく、基準に該当するか否かを労働者が客観的に予見可能で、該当の有無について紛争を招くことのないよう配慮されたものであること。

 

Q.継続的な業務委託とは、どの程度の頻度・分量を目安とすればよいですか。例えば月数回程度、年数回程度など、定期的に業務を委託する計画内容・契約内容であり、労使間の合意があれば認められますか。

 

A.業務委託契約等の頻度については、創業支援等措置の実施に関する計画に記載し、当該計画について労使合意を得る必要がありますが、業務委託等の頻度は労使間で十分に協議の上で、労使双方とも納得の上で定められたものであれば差しつかえありません。

具体的な規定の方法としては、例えば創業支援等措置を利用して就業する高年齢者全体に対して企業として発注を行う頻度の総量を定めるほか、個々の高年齢者に対して個別の発注を行う頻度を定める方法が考えられます。

また、個々の高年齢者との契約に際しては、その希望を踏まえつつ、個々の業務内容・難易度や業務量等を考慮し、できるだけ過大又は過小にならないよう留意した上で、計画で定められた頻度から妥当な範囲で個々の高年齢者との契約の頻度が定められたものであれば差しつかえありません。

 

Q.業務委託契約において、事前に定めた基準を満たす成果物が納品されない場合でも、契約は継続しないといけないのでしょうか。

 

A.創業支援等措置の実施に関する計画においては、「契約の終了に関する事項(契約の解除事由を含む。)」を記載することとされています。計画で定めた事由に該当する場合には、契約を継続しないことができます。

 

 

厚生労働省資料「高年齢者雇用安定法 Q&A」(令和3年2月26日)

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