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《2101》内定取消をするときの注意点

新型コロナウイルス感染症拡大の影響等で、やむをえず内定取り消しをしなければならない場合、どのようなことに注意すれば良いかをまとめました。

はじめに

2020年9月に厚労省により発表された資料によると、8月時点で全国201名の内定取り消し、1291名の入職時期繰り下げがあったようです。捕捉されていない数字も含めるとこれらの件数はさらに大きくなるでしょう。そして、新型コロナウイルス感染症拡大が収束しない状況下で、今後さらに内定取り消しや解雇が増えることが予想されます。以下、内定取り消しについての注意点について解説します。

 

内定とは

内定について、法律によって明確な規定があるわけではありません。しかし、内定の取り消しをめぐる過去の判例などから、一般的に内定は「始期付・解約権留保付労働契約」とみなされています。

言い換えると、内定が成立した時点で条件はあるが労働契約が成立していることになります。

つまり、内定取り消し=解雇と同様の法律的制限を受ける点に注意が必要です。

 

1.学生が予定通り卒業できなかったとき

卒業ができない場合、契約の前提条件を満たさないため、原則として内定取り消しの理由になるでしょう。ただし、卒業を前提としない条件で内定した場合は別です。

2.履歴書などの重要な部分に経歴詐称があったとき

履歴書の重要な部分とは、採用の合否に特に関わる部分を指します。例えば保有資格の詐称、職歴、犯罪歴などがそれに当たるでしょう。「前職を勤務不良で解雇されていた」「うつ病で入院歴がある」などの情報を履歴書に記載しないことについては、一般的には経歴詐称とまでは言えません。勤務をする上での問題点については、面接やその他調査により企業が積極的に確認しておくべき内容です。

3.健康状態が勤務に耐えられないとき

内定当時と比べて健康状態が悪くなり、期待していた仕事ができない場合、内定取り消しの理由になります。ただし、会社側の一方的な主観だけでは不十分で、医師などの見解も踏まえて判断すべきでしょう。

4.経営状態悪化によりやむを得ないとき

経営状態悪化により内定取り消しをする場合、整理解雇の場合に準じて妥当性を判断することになります。整理解雇の合理性は次の4つにより判断されます。

  • ①人員整理の経済的必要性
  • ②解雇等を回避する企業努力
  • ③解雇の対象者選定の合理性
  • ④対象者に対する説明責任・手順の妥当性

①については、新型コロナウイルス感染症などの影響で売上が下がり、その状況が続く見通しであるなどの事情がそれにあたるでしょう。

②については、内定取り消しの前にコストカットや役員報酬の削減などの努力がなされているか、③は内定取り消しの対象者の選び方に合理性があったか、というあたりがポイントになります。

そして④にあるように、①②③の事情を踏まえつつ誠実に内定取り消しの交渉をすることが大切になります。

 

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