社労士法人アノテコのニュース

ニュースレター

《2010》副業・兼業の促進に関するガイドラインについて

企業も労働者も安心して副業を行うことができるようルールを明確化するため、令和2年9月に厚生労働省が副業・兼業ガイドラインを改定しました。内容について解説します。

はじめに

新型コロナウイルス感染症の影響もあり、古くからの日本的労働慣行が変わりつつあります。副業・兼業に関する新たなガイドラインが厚労省から発表されました。以下、重要なポイントを解説します。

基本的な考え方

所定時間外の行動を本来制限できないことや、過去の裁判例などを踏まえ、新しいガイドラインでは「原則として副業・兼業を認めるのが適当」という方向が明記されました。

従来の日本の労働慣行では「原則NG、ただし会社が認めた場合はOK」という考え方が主流であったことを考えると、大きな方向転換となっています。

 

会社が副業を制限して良い場合

新しいガイドラインによると、企業が副業を制限することが許される場合として、以下が挙げられています。

①労務提供上の支障がある場合
②業務上の秘密が漏洩する場合
③競業により自社の利益が害される場合
④自社の名誉や信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合

これによると「同業他社で副業をする行為」などは制限の対象となりそうですが、たとえ同業であっても、顧客の個人情報やノウハウを持ち出していないなど、事情によっては制限できないと判断される可能性があります。

 

会社がすべき準備

1.規準策定

会社としては、あらかじめ副業・兼業を認める/認めないという判断基準を明確にすべきでしょう。自社の社員が選択する可能性のある副業を列挙し、それぞれの情報漏洩リスクや信用リスクを分析した上で、基準を示しておくことが望ましいといえます。

2.副業の状況を把握する仕組み

【副業制限規準】

副業を認めた場合、それが企業運営上プラスになっているか、思わぬ不和や問題を生んでいないかなどを定期的に調査・検証しましょう。下のリストのような項目に注意しつつ、想定されるトラブルに対する対処法についてあらかじめ話し合っておくことが大切です。

《ガイドラインの目的》

副業・兼業を希望する者が年々増加傾向にある中、安心して副業・兼業に取り組むことができるよう、副業・兼業の場合における労働時間管理や健康管理等について示す。

<副業・兼業の現状>

・副業・兼業を希望する者は、年々増加傾向にある。
・副業・兼業に関する裁判例では、労働者が労働時間以外の時間をどのように利用するかは、基本的には労働者の自由であるとされている。
・厚生労働省のモデル就業規則でも、「労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。」とされている。

<副業・兼業の促進の方向性>

・人生100年時代を迎え、若いうちから、自らの希望する働き方を選べる環境を作っていくことが必要。副業・兼業は、オープンイノベーションや起業の手段としても有効であり、都市部の人材を地方でも活かすという観点から地方創生に資する面もある。

・副業・兼業を希望する労働者については、その希望に応じて幅広く副業・兼業を行える環境を整備することが重要である。

・企業及び労働者が、長時間労働にならないように留意して行うことが必要である。

<企業の対応/基本的な考え方>

・副業・兼業を進めるに当たっては、納得感を持って進めることができるよう、企業と労働者との間で十分にコミュニケーションをとることが重要である。

・使用者及び労働者は、

①安全配慮義務
②秘密保持義務
③競業避止義務
④誠実義務

に留意する必要がある。

・就業規則において、原則として労働者は副業・兼業を行うことができること、例外的に上記①~④に支障がある場合には副業・兼業を禁止又は制限できることとしておくことが考えられる。

 

【参考:厚生労働省 副業・兼業についてのWEBページ】
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000192188.html

投稿日:

Copyright© ニュースレター , 2025 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.