会社から休業手当を受けることができない労働者向けの個人給付制度が7月10日に開始されました。内容について解説します。
はじめに
新型コロナウイルス感染症の影響で休業を余儀なくされた中小企業の労働者のうち、休業中に会社から賃金(休業手当)を受けることができなかった方に対して、労働者本人が直接申請できる給付金制度が始まりました。以下、「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」について解説します。
1.要件
主な要件については以下のとおりです。
①対象労働者
令和2年4月1日から9月30日までの間に事業主の指示を受けて休業した中小企業の労働者(休業手当の支払いを受けていない者に限る)
②算定方法
休業前賃金日額 × 80% ×(各月の日数(30日又は31日)― 就労した又は労働者の事情で休んだ日数)
この「休業前賃金日額」とは、原則として過去6ヶ月の賃金(諸手当を含む総賃金)のうち任意の3ヶ月を選んで合計し、90で割って計算します。
つまり、比較的賃金の高い3ヶ月を選んで計算することができます。ただし、この休業前賃金日額は11,000円を上限とします。
また、雇用調整助成金と違い、この給付金は「実休業日数」でなく「所定休日を含めた暦日数から、働いた日等を差し引いた日数」をかけることに注意が必要です。
例えば、休業前賃金日額が1万円の場合で、1ヶ月丸々休業して休業手当を受け取っていない場合の給付金の月額はおよそ1万円×0.8(80%)×30日=24万円となります。
③申請方法
原則として郵送します(オンライン申請も準備中)。また、事業主を通じてまとめて申請することも可能です。
④必要書類
申請書、支給要件確認書※に加えて、運転免許証など本人確認書類、通帳の写し、給与明細などを揃えます。
※事業主の指示による休業であること等の事実を確認するもの。事業主及び労働者それぞれが記入の上、署名します。
事業主の協力を得られない場合は、事業主記入欄が空欄でも受付されます(この場合、労働局から事業主に連絡があります)。
2.注意点
・休業中の法定未満(平均賃金の6割未満)の休業手当受給を含め、休業手当を受けている場合この支援金・給付金の対象とはなりません。
・会社として雇用調整助成金を申請している場合でも、休業手当が支払われていない労働者は支援金・給付金の支給対象となります。
・厚労省の見解では、「この制度があるからと言って、会社が休業手当の支払い義務を免除されたわけではない」とされています。
法律に照らし合わせ休業手当の支払い義務の有無を確認し、支払い義務がある場合はまず会社が休業手当を支払うことを検討してください。