一定規模以上の企業には障害者を雇用する義務があります。障害者雇用義務について定められた「法定雇用率」について解説します。
はじめに
一定規模以上の企業では、障害者の雇用機会を確保するために労働者の数に対して一定割合以上の障害者を雇用しなければなりません。しかし、この「障害者雇用率」は約半数の企業が未達成の状態で、社会の多様性の実現のためにはより周知され、実践されていかなければなりません。以下、法定雇用率について解説します。
法定雇用率とは
法定雇用率とは、事業主に対して従業員の一定割合(法定雇用率)以上の障害者の雇用を義務付けるものです。具体的には以下のように定められています。例えば民間企業の場合は、労働者100人に対して2.2人の障害者雇用が必要になります。
労働者雇用率の定義
法定雇用率を算出するにあたり、企業の労働者数は「①常用労働者数+②短時間労働者数×0.5」で計算します。
①常用労働者は1週間の労働時間が30時間以上の方、
②短時間労働者とは、1週間の労働時間が20時間以上30時間未満の方
を指します。
なお、それより1週間の労働時間が短いアルバイトやパートなどはカウントしません。
障害者数の定義
障害者雇用率を算出する際の障害者数は次の基準に従って計算します。
- 常時雇用労働者は1人分、短時間労働者は5人分とカウント
- 重度身体障害者・重度知的障害者は1人を2人分としてカウント。重度身体障害者・重度知的障害者の短時間労働者は、1人分としてカウントする。
- 精神障害者である短時間労働者で、下記①かつ②を満たす方については、1人をもって1人とみなす。
①新規雇入れから3年以内の方 又は 精神障害者保健福祉手帳取得から3年以内の方
②2023年3月31日までに、雇い入れられ、精神障害者保健福祉手帳を取得した方
除外率について
仕事の内容によっては障害者雇用になじまないこともあります。障害者の就業が一般的に困難であると認められる業種について、雇用する労働者数を計算する際に、除外率に相当する労働者数を控除する制度(障害者の雇用義務を軽減)が設けられていました。
例えば労働者数50人で除外率30%の場合は、50×30%=15人を除外した労働者数35人を基準に法定雇用人数が決められます。しかし、この除外率制度は、ノーマライゼーションの観点から、平成14年法改正により、平成16年4月に廃止されています。現在は経過措置中で、段階的に除外率を引き下げ、縮小することとされています。
今後の方向性
2021年4月までに、法定雇用率はさらに0.1%ずつ引き上げられる予定になっています。