新型コロナウイルスの影響で、労務管理上の新たな課題が次々に発生しています。判断に迷う労務管理課題についてQ&A方式で紹介します。
はじめに
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で働き方が変化しています。それに伴い、ウイルス感染拡大防止策の実施や世間の評判への対応など、今までにない経営課題が生まれています。以下判断に迷う労務管理課題についてQ&A方式で紹介します。
Q1.在宅テレワークの通信費は誰が負担するか?
A1.法的なルールはありませんが、負担割合を就業規則などで決めた方が良いでしょう。テレワークに関わる費用負担区分については、テレワークを導入する前に、通信費などの負担について明確なルールをつくり、従業員に対して丁寧に説明することが必要です。
①情報通信機器の費用
パソコン本体や周辺機器、携帯電話、スマートフォンなどについては、会社から無償で貸与しているケースが多いでしょう。
②通信回線費用
通信費用については個人の使用と業務使用との切り分けが困難なため、実費にかかわらず一定額を会社負担としているケースが多いでしょう。インターネット環境にない者が会社の命令でテレワークをする場合、初期工事費について部分的に会社負担とするケースもあります。
Q2.プライベートな飲み会を禁止できるか?
A2.原則としてプライベートな飲み会を禁止することに法的な拘束力はありません。「お願い」にとどめておくべきでしょう。所定時間外の飲み会について会社が禁止し、違反したものに不利益を与えることは問題があるため、あくまで「要請」「お願い」にとどめておく必要があります。
ただし、会社からの「要請」は実質的に強制力を持つことに注意してください。伝える際は、「要請の意図」や「やむを得ず飲み会に参加する場合の感染防止策」などを具体的に示すと良いでしょう。なお、この時期会社が主催する飲み会などを開き、従業員に参加を強制することも評判リスクや感染拡大リスクの点でふさわしくないといえます。
Q3.従業員の旅行や帰省を禁止できるか?
A3.飲み会同様に、旅行や帰省を禁止することはできないでしょう。ただし、労務管理上の注意喚起やヒアリングは可能です。
プライベートな旅行を禁止できないまでも、感染リスクが高い場所への旅行や、感染拡大に繋がる移動といった従業員の行動については、万が一の感染の際の評判リスクも含めて会社から注意喚起することができるでしょう。また、広く労働環境を健全に保つために、旅行先などを事前にヒアリングすることも可能です。プライバシーとの兼ね合いを考えながら適宜判断しましょう。
Q4.PCR検査を受けることを強制できるか?
A4.検査を強制したり、本人の同意なく検査結果を企業が取得したりすることには問題があります。新型コロナウイルスに関する検査を企業が従業員に対して行う場合、労働者個人の自由意志で受けてもらいましょう。また、例え検査費用を企業が負担したとしても、検査結果を企業が取得する時には本人の同意を得ておきましょう。接客業などにおいて、対外的な安全性のアピールのため一斉検査を行うといったケースもあるかもしれませんが、業種によって当然に検査を強制できるわけではないので注意しましょう。