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《2009》雇用調整助成金の延長が与える影響

新型コロナウイルスの感染者増加が依然として収まりを見せない中、雇用調整助成金の特例措置の延長が議論されています。今後の動きについて考察します。

はじめに

4月から9月末までの間、特例措置として雇用調整助成金の大幅な拡充が行われていますが、感染者数の増加が収束を見せない中、この特例措置がさらに延長となるよう国会で議論されています。雇用調整助成金の特例措置が延長された場合の影響について解説していきます。

特例の内容

現在、新型コロナウイルス感染拡大の影響で休業など雇用調整をしている企業に向けた特例の主な内容としては以下のものがあります。当初9月末までとされていたこの特例措置が年末あるいは年度末まで延長するという話になっています。

上記の特例内容がそのまま引き継がれ延長した場合、次のような影響があると考えられます。

延長の影響①整理解雇の難易度アップ

現在の特例下では、平均給与30万円程度の会社で解雇などをしていない場合、休業させても会社の金銭負担は実質的にほとんどありません(助成金が支給されるまでは休業手当相当額を一時的に負担します)。雇用調整助成金がここまで拡充された状態では、事業縮小による整理解雇をすることが難しくなります。

なぜなら、企業はこの助成金によって「解雇回避の努力」を行うことができるためです。

雇用調整助成金の内容が充実している時に人員を減らしたい場合は、退職金や合意金を用意した上で退職勧奨(退職の提案)を個別に行う必要があるでしょう。

逆に言うと、雇用調整助成金の支給終了に向けて業態転換を図り、縮小する部門の労働者に退職勧奨をしていく動きが増えるかもしれません。

延長の影響②来年初夏まで支給継続も

雇用調整助成金は1社につき1年で100日、3年で150日を支給限度日数としていますが、特例期間は別計算とされています。

4月以降に雇用調整助成金をもらい始めた会社について、10月以降もこの特例が継続した場合、全休しても正味100日=約5ヶ月分支給日数に余地があることになります。

つまり2020年末まで特例期間が延長された場合でも、翌年5月までは何らかの休業手当助成があると見込めます。

延長の影響③雇用保険料

かつての石綿(アスベスト)による健康被害の救済のため、労働保険料申告に合わせて「一般拠出金」を納める仕組みが2007年以来、現在まで続いています。

新型コロナウイルスが落ち着いてからになるとは思いますが、雇用調整助成金などの支出をまかなうため、今後保険料率の引き上げや、特別な拠出金制度の創設などの可能性があります。

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