アジャイルとは「俊敏な」「すばやい」という意味の言葉です。元々はソフトウェア開発で使われていた言葉ですが、最近では人事部門においても耳にすることがあります。アジャイル型人事マネジメントとはいったいどのようなものなのでしょうか。
単行本:200ページ
出 版:セルバ出版
価 格:1600円(税抜)
はじめに
アジャイルとは「俊敏な」「すばやい」という意味の言葉です。アジャイルな会社経営や人事とはどのようなものなのでしょうか。
計画は本当に必用か
多くの人が「計画を立て、その計画通りに物事を進めること」をベターとしますが、良くも悪くも予期しない様々な出来事が発生し、実行動は当初の計画から大きく外れがちです。明日起こるイベントを確実に知ることなど出来ないのですから、当然といえるでしょう。会社の経営ならばなおさらです。
筆者はこう述べています。この考え方こそがアジャイル思考の根本といえるでしょう。経営全体の話ではありますが、従来の凝り固まった計画思考から抜け出すために必要な感覚であることは間違いありません。
失敗を容認する
IBMやGE、グーグルといった有名大企業には1つの共通点があると筆者は言っています。それは「心理的安全性」が確保されているということです。
大きなミスをおかした社員に対してただ厳しく叱責するのか、あるいはその失敗を勇敢なチャレンジと捉え、叱りつつも褒めるのか。この2つに大きな違いはあることは明白です。前者のパターン、つまり失敗は許されないという文化が根付いている組織では誰も新しいチャレンジに取り組もうという気持ちになりません。
「失敗したら怒られるから危ない橋は渡らないでおこう」という考え方になってしまうのは、当たり前のことといえるでしょう。
しかし、前述したように熟考して捻りだした経営計画ですらその通りには進まないのが現実です。まして会社が抱える社員は人間ですから、日々の定型業務でさえミスが生じる可能性はあるのです。
そういったミスをただ叱りつけるのではなく、改善策やそのミスによって得られた新たな気付きを拾い上げることで心理的安全性はつくられていきます。その積み重ねによってチャレンジを恐れない精神を身につけた社員たちは、自社にとって非常に有益な功績をあげる人材に成長するのです。
進捗の法則
「進捗の法則」とは、どれだけ小さな進歩でもその1つ1つを実感することで、取り組みに対する成功の予感やその取り組みを続けていこうという気持ちの支えになるというものです。
今まではひたすら取り組むだけだったプロジェクトの進捗を事細かに管理し、メンバーがそれを共有することで、モチベーションの向上はもちろんのこと、事前に打ち立てた計画だけでは見えてこなかった要素も明らかになることでしょう。そうやって得られた発見をもとに、すばやく軌道修正を加えていくことができれば、時間の短縮やプロジェクトのクオリティアップに繋げることも可能になります。
計画や予定に執拗に捉われないアジャイル型の人事マネジメントは、業界を問わず様々な会社の経営に多大な価値を生み出すことが予想されます。その基礎を学びたい方におすすめの一冊です。